【ブックレビュー】〔エッセンシャル版〕マイケル・ポーターの競争戦略

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ちんちら

今回紹介する本はこちら!

目次

概要

著名な経営学者であるマイケル・ポーターの競争と戦略論の要点を、事例を交えながら、わかりやすくまとめた本です。

どんな人が対象となりそう?

大小を問わず、より良い意思決定をしたいと思っている読者。物事を戦略的に考え、実行したいと思っている人の参考になると思います。

著者はどんな人?

ジョアン・マグレッタさん。マイケル・ポーターが主導するハーバード・ビジネススクール戦略研究所でシニアアソシエイトを務めています(執筆当時)。

元々はハーバード大学でマイケル・ポーターの講座を受講し、そこからコンサル会社などを経て、戦略論を深めていったようです。

どんなことが書かれている?

ビジネスを成長させていく上で、どんなことを軸に考えていけば良いかということが書かれている本です。

第一部の「競争とは何か?」では、まず、競争があるから戦略が必要であるという基本的な考え方の全体像を示してくれます。

この競争に勝つために一般的には、他者と同じものを安く作って売るという「最高を目指す」ということをしがちであるが、 これでは持続可能な組織を作ることはできないという指摘をします。 いかに 独自のポジションを構築するか? ということが重要であると教えてくれます。

また、競争が起こる要因を以下の5つに整理して考えることができることを説明します(5フォース分析のこと)。

  • 既存企業同士の競争
  • サプライヤーの交渉力
  • 買い手の交渉力
  • 代替品や代替サービスの脅威
  • 新規参入者の脅威

第二部の「戦略と何か?」では、上記の競争で優位になるためには、どんな戦略を持つことが有効か?ということが書かれています。 競争優位を生み出す戦略には、次の5つが必要だといっています。

  • 特徴ある価値提案
  • 特別に調整されたバリューチェーン
  • ライバル企業とは異なるトレードオフ
  • バリューチェーン全体の適合性
  • 長期にわたる継続性

どんなときに活用できる?

「戦略」という抽象的な言葉の認識合わせに

戦略とは、誰もが指し示せる実体のあるものではないので、チーム内でその言葉を使っていても、メンバーが全員同じことを考えているかは別の話です。

ある人は、戦略をNo.1になることだと思っていれば、他の人はOnly 1になることだと思っているかもしれません。このような状況では、戦略により実現したい目標が異なってしまうため、良い意思決定することは難しいと思います。

こういう場合は、まず戦略とは何か?について、メンバー内で共通の認識を作る必要がありますが、ゼロからこの認識を作ろうとすると大変になります。

そんなときに、この本の戦略の考え方を持ち出すことで、 議論が不用意に発散せず、 建設的な議論の上、戦略とは何か?について認識を共通化していけると思います。

※念のための補足ですが、議論の結果、戦略の考えがこの本とは異なる形になることは、全然悪いことではありません。

意思決定の拠り所に

ビジネスの意思決定をする上で、自分の軸になり得る考え方になります。 戦略のような不確定性の高い意思決定の判断は、論理的に導けるものではないことも多々あります。

そのようなときに、戦略の5つの要素は、どんなことを判断基準としてすれば、他の人にも納得してもらえる意思決定となるか?という拠り所になります。

5フォース分析の理解に

ビジネス分析フレームワークの一つである5フォース分析の考え方を深めることができます。

類似のフレームワークとしてSWOT分析もありますが、こちらは主観的な分析になりやすく、分析結果を次の一手の戦略に結び付けるには、もう一段頭を使う必要がある気がします。

それに比べて、5フォース分析は、そもそも競争要因を分析することにフォーカスしているので、 競争優位を実現するための戦略の立案と結びつけやすいです。

まとめ

マイケル・ポーターの戦略論は、ビジネスなどでより良い意思決定をするための基礎的な考え方として、大変役に立つと思います。

難しい専門用語ばかりで書かれている本ではありませんので、ぜひ読んで頂ければと思います!

以上です。

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